奈良の工務店 アーキ・クラフトです。一級建築士の確かな設計力で、注文住宅・デザイン住宅・坪単価45万円からのローコスト自由設計住宅・1000万円台の企画住宅・リフォーム・リノベーション、分譲住宅など、個人住宅を中心に、D.I.Yスクール、店舗設計・施工等も手がけています。

建築コラム アーキ・クラフト代表 倉原 猛が伝えたいこと

プランとコストの関係(2)

最後に収納について説明をします。あなたは家の中で収納に当てられている面積がどれ位か知っていますか?平均で12~15%と言われています。(床面積に含まないニッチや小屋裏は別)たとえば35坪の家だと15%で5.25坪(10.5帖)です。
建物の総額が2500万円かかったとします。すると2500万円÷35坪=71.4万円の坪単価になります。
5.25坪×71.4万円=375万円が収納の為に使われたことになります。
収納の考え方を変えると、資金計画にも効果が出せそうですね。

自分にとって適正な収納量とは

先ほど平均収納率が12~15%だと述べましたが、30坪の家の15%だと4.5坪、50坪だと7.5坪。延床面積から収納を考えるのではなく、自分たちにとっての最適量を一度考えてみてはいかがでしょうか。今お住まいのお家にも1年以上使っていなくて押入に眠っている物がないですか?そこにあることさえ忘れているのなら、10年先も使わない可能性が高いです。アーキ・クラフトでは、収納設計に長けたスタッフと、提携している整理収納アドバイザー、ライフオーガナイザーが適正な収納についてアドバイスをさせて頂きます。ぜひ相談して下さい。

効率の良い収納設計

適正な収納量が把握できたら次はその収納物を効率よく収める方法について考えてみましょう。収納といってもスタイルは様々です。例えば最近多いのが、ウォークインクローゼット(以下WICL)大きめの収納スペースを確保して大小色々な物を収納することが出来るスペースです。でも収納効率が必ずしも良くないケースがあります。

ウォークインクローゼットは必ずしも収納効率が良いわけではない
この図のように広い収納スペースがあっても、人が立てるスペースが必要なため、全てが収納に使えるわけではありません。それならこの図のようにクローゼットを幅広く確保した方が、1坪まるまる収納に使う事が出来ます。その代り収納扉の前部分は部屋の中での物が置けなくなりますので、物を置かないような人が通る動線沿いに設置するか、いっそ廊下沿いに設ける事で、廊下をただ「通る」だけの場所から収納の為の補助スペースとすることが出来ます。
また面積で考えるのではなく、体積(高さ)で考えることも大事です。
押入れの枕棚はデッドスペース?
例えば押入収納でA図のように押入の中に枕棚を設ける事がありますが、棚の手前はタレ壁がある為、収納が奥行いっぱいには使えません。B図のように押入の上をまるまる棚にしてしまえば収納量が大きくなりますし、収納物が無い時は部屋を大きく見せる工夫にもなります。また奥行も収納物によって変えるべきです。
クローゼットの奥行きは60cmで足りる
服をメインで収納するなら、奥行きは60cmあれば何とかなります。そんな場所に91cmの奥行を確保すると無駄なスペースになる可能性があります。このように設計の工夫によって限りあるスペースを最大限利用することが出来るのです。

使用率

次に考えて欲しいことは使用率です。毎日使うような掃除機と1年の内、半年ごとに入れ替える夏服冬服、扇風機、ストーブ、年1回だけ使うようなクリスマスツリーや正月飾り、雛人形これら使用率の違う収納物を同じように扱って良いのでしょうか?

使用率の低いものは坪単価の安いスペースに収納する
例えば年に1度しか使わないような物は、小屋裏収納や外部収納小屋など居室よりも仕様が低く坪単価の安いスペースや建物で賄ってもよいのではないでしょうか?

使用期間

視点を少し買えて「使用期間」も考えてみましょう。1番考えるべきなのは「子ども部屋」です。お子さんが個室を必要とする期間はどれくらいでしょうか?近年子供部屋を用意しても、実際に使い始めるのは小学校高学年10歳くらいからというケースが増えています。もし大学を県外で一人暮らしすることになれば、18歳までの8年しか使わない可能性があります。収納量もその間がマックスだと考えると、それ以外の間は子ども部屋の一部、マックスの期間だけ先述の小屋や小屋裏を利用することも選択肢の一つです。子ども部屋を小さく効率よく確保して、夫婦のスペースを大きくするのも良しです。
私の友人である工務店の社長は自邸で子供部屋を2.5帖+ロフトにして、夫婦寝室を17帖にしました。家は一番長く住まう夫婦の物と考える事も一理だと思います。

プランで家づくりの資金計画に大きく影響する事が理解できたと思います。予算に収まるか否かを建主と設計者でプランニングしながら判断していく事が大切です。

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